日本ウエルネス学会の第7回大会は、2010年の9月19日(日)、20日の2日間、文教大学越谷キャンパスにて開催されました。今回の開催テーマは「コミュニティのウエルネス」とし、ウエルネスの理念を地域社会においてどのように実現していくかということを取り上げました。
基調講演は、石川県小松市において長く地域住民の健康づくりに取り組んでこられました本学会会長の勝木道夫先生(財団法人北陸体力科学研究所理事長)から「コミュニティのウエルネス」として頂戴しました。従来の患者だけをとらえた狭い医療の考え方から、健康や体力の増進、そして家族や地域社会までをとらえてこられた勝木先生の取り組みからあらためて学ぶ機会となりました。
基調講演をふまえ20日に行われた一般公開シンポジウム「地域連携におけるウエルネスの活用法」では討論者に田村和寿先生(桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授)、前川美紀子先生(名桜大学人間健康学部准教授)、二宮雅也先生(文教大学人間科学部専任講師)からのご報告をいただき石原俊一先生(文教大学人間科学部教授)の進行で行われました。行政、研究者、学生、医師、商店街など地域のさまざまな主体が連携し、地域におけるウエルネスを実現していく先進事例について学ぶとともに、その意義についても確認できたと思います。
さて、今回の2日間を通して「ウエルネス」は何のために、誰のためにあるのかを考え直す機会となり、「ウエルネス」というマインドとナレッジを抱えて、まちやむらに出かけていくことの大切さ、そして「ウエルネス」が新しいつながりやネットワークをつくり、地域の希望を創り出していけることが、明らかに出来たのではないかと思います。そして今回の研究発表は12件の口頭発表、9件のポスター発表をいただき、ウエルネス研究のひろがりと深まりをみることができました。次回に向けても学会員のみなさんの実践と研究の進展を期待しております。
実りの多かったこの大会の準備・実行の任をおつとめいただきました学会員の皆様に御礼申し上げるとともに、今回の基調講演者をおつとめいただき、今期で本学会会長の任を退かれる勝木道夫先生には、この場を借りましてこれまでのお働きへの感謝と御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
西村仁志(同志社大学大学院総合政策科学研究科)